皇室も時代と共に存在し,各時代,伝統を継承しつつも変化しつつ,今日に至っていると思います。この変化の尺度を量れるのは,皇位の継承に連なる方であり,配偶者や家族であってはならないと考えています。
伝統がそれぞれの時代に息づいて存在し続けるよう,各時代の天皇が願われ,御心をくだいていらしたのではないでしょうか。きっと,どの時代にも新しい風があり,また,どの時代の新しい風も,それに先立つ時代なしには生まれ得なかったのではないかと感じています。
私の目指す皇室観というものはありません。ただ,陛下のお側にあって,全てを善かれと祈り続ける者でありたいと願っています。
(平成6年 皇后陛下、お誕生日に際しての記者会見)
「筑紫(つくし)の極み 陸(みち)の奥
海山遠く 隔(へだ)つとも
その真心は 隔て無く
一つに盡(つ)くせ 國の為」
「千島(ちしま)の奥も 沖繩も
八洲(やしま)の内の 護(まも)りなり
至らん國に 勳(いさお)しく
努めよ我が兄(せ) 恙(つつが)無く」
(稲垣千頴)