平成30年(2018年)7月19日
前回(平成30年7月1日)のブログ記事では、皇室典範特例法が制定されるまでの経緯を説明しました。
今回は、皇室典範特例法が憲法違反であることを示します。
皇室典範特例法はなぜ違憲なのか。
それは、皇室典範特例法は日本国憲法第2条に反する法律だからです。
日本国憲法第2条の条文を抜粋します。
「第2条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。」
皇室典範とは何か。この問いは、後日取り上げます。
現時点では、「皇室典範とは、皇室に関する制度が定められた法律」であると認識して下さい。このような認識で、何ら問題ありません。
さて、日本国憲法第2条によると、皇位は皇室典範という法律の定めに従って継承されます。
そして、前回の記事で書いたように、現在の皇室典範に基づくと、天皇が崩じた場合のみ、皇位が継承されます。
しかし、日本政府は、皇室典範特例法(天皇の退位等に関する皇室典範特例法)に基づき、今上陛下一代に限り退位による皇位継承を可能にしようとしています。
皇室典範特例法は皇室典範(の)特例法であり、皇室典範ではありません。
皇室典範があり、それに優先する(はずの)法として、特別に例外の法を定めた。皇室典範(の)特例法は、皇室典範とは別の、外にある法律です。皇室典範特例法も皇室典範に含まれるのであれば、それは皇室典範の特例ではありません。
日本国憲法第2条によると、皇位は皇室典範という法律の定めに従って継承されなければなりません。
したがって、皇室典範ではないにもかかわらず皇位継承の規定を定めている皇室典範特例法は憲法違反です。
「…。」
「えっ?それだけ??」
と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、それだけです。
これだけの簡単な論理で、皇室典範特例法は憲法違反です。
「そんなばかな。日本政府が法案を作成し、国会がそれを議決したのだから、それなりの理由や論理があるはずだ。こんな簡単な論理で違憲になるんだったら、日本政府は法案を作成しないだろうし、国会も議決しないはずだ。」
という声が聞こえてきそうです。
確かに、日本政府には、皇室典範特例法は合憲であるという言い分があります。
また、国会には、皇室典範特例法は合憲であると受け入れた理由が、それなりにはあります。
そこで、次回の記事では、日本政府の言い分と国会が受け入れた理由を取り上げます。
そして、その上で、やはり皇室典範特例法は違憲であることを示します。
なかなかブログを更新できていません。もう少し頑張ります。次回をお楽しみに。
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