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アメリカ大統領選挙と我が国の民度

2020年11月13日

 

2020年11月3日は、第59回アメリカ合衆国大統領選挙の投開票日でした。

 

私はこの選挙には全く関心がありませんでした。アメリカ大統領が誰であろうと、知ったこっちゃありません。

しかし、この選挙期間中は、これに関する話題が連日テレビや新聞のトップニュースで報道されていたことは知っています。

 

私の関心は、この選挙の結果ではありません。

テレビをほとんど見ない、新聞をほとんど読まない私でも嫌というほど目や耳にした連日の報道によって、私は愕然としてしまいました。

 

なぜでしょうか。

 

ここで皆さんにお聞きします。

皆さんは、この日、アメリカ大統領選挙と同時に「アメリカ合衆国連邦議会選挙」(上院議員選挙⦅100議席中35議席改選⦆、下院議員選挙⦅全435議席改選⦆)が行われたことをご存知でしたか?

 

おそらく、多くの人が知らなかったのではないでしょうか。

なぜなら、テレビや新聞では、大統領選挙は取り上げられても、連邦議会選挙についてはほとんど報道されていなかったからです(ちなみに私は、テレビはNHK、新聞は中日新聞を視聴、もしくは読んでいました)。

 

それとも、私がニュースを見ない読まないだけで、大統領選挙と同様に連邦議会選挙についても報道されていたのでしょうか?(テレビの場合は、平日昼間のワイドショーはともかく、多くの人がニュースを見る朝や夜の時間帯

 

もし大統領選挙については報道されても連邦議会選挙については報道されていなかったのであれば、日本の民主主義は深刻な状況です。

なぜなら、これは、日本の民度の低さを示しているからです。

 

まず、アメリカの中央政治にとって、連邦議会は唯一の立法機関です。

アメリカ大統領に立法権はありません。アメリカ大統領は連邦議会に法案を提出することもできません。

 

アメリカ連邦議会で可決された法案は、アメリカ大統領が署名することで法律となります。

しかし、アメリカ大統領は、連邦議会で可決された法案に対して拒否権を行使する、つまり、法案に署名することなく議会に送り返すことができます。

 

よって、アメリカ大統領が誰であるかは、アメリカ中央政治にとって極めて重要です。

ですが、同様に、アメリカ連邦議会もアメリカ中央政治にとって極めて重要であることは言うまでもありません。

 

アメリカにとってそれほど重要な連邦議会選挙ですが、日本ではほとんど報道されませんでした。

それは、「日本では大衆の関心なんて大統領が誰に決まるかだけだろう。」とメディアが判断したからです。

 

テレビ局や新聞社は公正中立ではありません。決して公的機関ではありません。

テレビ局の仕事は、国民が見たい番組を国民に供給することです。

新聞社の仕事は、国民が読みたい記事を国民に供給することです。


もし日本国民がアメリカ政治に関心があるのであれば、テレビや新聞はアメリカ連邦議会選挙についても詳しく報道します。ところが、実際は大統領選挙についてばかりでした。

これは、日本の大衆は、アメリカ政治に関心は無いが、アメリカの大統領が誰に決まるかだけは知りたがっていることを意味します。

 

日本国民がアメリカ政治に関心が無くても問題無いと思います。私も全く関心がありません。

ですが、アメリカ政治に関心は無いのに大統領が誰に決まるかだけは知りたがっているとしたら、意味不明です。

これが日本の大衆なのでしょうか?

これが、連日の報道が日本の民度の低さを示していると私が考えている理由です。

 

それとも、皆さんは、

 

「なぜ大統領選挙についてばかりなんだ!連邦議会選挙についても詳しく報道しろ!!」

 

とメディアに対して不満を抱いていたでしょうか?

 

アメリカ政治に関心は無いが、大統領選挙は気になる。

もしあなたがそうだったのであれば、残念ながらあなたは民度の低い大衆でしかありません。

 

 

皇紀2680年11月13日