2021年1月29日
前回までの「ロゴスの間」
の3回の論考を通して、多数決は多数派の意見に従う決め方であること、それに論理的根拠は無いこと、根拠は論理ではなく平等思想であることを明らかにしました。
今回から、いよいよ議会政治における多数決の意味を考えます。
まずは、モデル国として、次の条件を満たすA国を考えます。
・法治国家である。
・法律はA国議会(国会)で成立し、行政府によって執行される。
・国会は一院制である。
・国会に提出された法案は、過半数の議員の賛成で成立する。
・国会議員は、国民が投票する公正平等な選挙によって選出される。
よって、A国では、国会議員の多数決が国政における決定の決め方です。
これから「国会議員の多数決」の意味を考えたいのですが、その前に、「国会議員」の意味を考えます。
つまり、「国民が投票する公正平等な選挙で選ばれた、国会で議論し、法案の採決に参加する人」の意味を考えます。
それが、「国民を代表して話し合う人」です。
他の国はともかく、A国では、国民は選挙を通して国会で話し合う代表者を選びました。これのみです。
国民は、たとえ誰かの何かの理想や思想や知見や気持ちや能力や手腕や実績や政策案を支持していたとしても、期待していたとしても、選挙でできることは、国会で話し合う代表者を選ぶことだけです。
本来は、国民が平等であるならば、国民全員で話し合って行われる国政が理想です。
しかし、国民全員がある法案の採決に参加することは可能であったとしても、国民全員で話し合うことは不可能です。
国民全員で話し合うことはできない。だから、国民の代表者が話し合う。
それが、国会議員です。
今回は、「国会議員」の意味を考えました。
次回は、「国会議員の多数決」の意味を考えます。
次回もどうぞご期待ください。お楽しみに。
皇紀2680年1月29日
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