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多数決と政治(5)「国会議員の多数決」の意味

2021年2月19日

 

前回の「ロゴスの間」(多数決と政治⦅4⦆『国会議員』の意味)では、A国の国会議員の意味を考えました。

国会議員は、「国民を代表して話し合う人」です。

 

これで、「多数決」の意味と「国会議員」の意味が分かりました。

今回は、「国会議員の多数決」の意味を考えます。

 

「国会議員の多数決」のポイントは2点です。

 

1点目は、国会議員は平等であることです。

多数決の背景は、平等思想です。「国会議員の多数決」では、平等の対象は国会議員です。

法案の採決において、ある国会議員が他の国会議員と比べて優れていることも劣っていることもありません。

 

2点目は、国民全体では少数決であることです。

国会議員は、有権者の総数と比較すると極めて少数しかいません。国会での採決は、多くの有権者の意思を反映することが目的ではなく、少数者である国会議員の話し合いと判断に委ねられます。

 

有権者は、国会で話し合う人を選びました。それが、国会議員です。有権者が選挙でできることは、国会議員を選ぶことだけです。

よって、国会議員は、有権者の多数派の意見に従わなければならないわけではありません。選挙や国会議員にそのような意味はありません。

話し合いにおいても採決においても、国会議員の意思は自由です。その議員を選ぶ仕組みが選挙であり、選挙で投票できる人が有権者です。

 

以上より、国会議員の多数決は、

・国会議員は平等である

・国民全体では少数決である

 

ことを意味します。

 

次回の「ロゴスの間」では、国会議員の多数決の正しい利用法を考えます。

国会では、多数決が正しく利用されるべきです。しかし、多数決が悪用・乱用されることもあります。これらの違いを考えます。

 

次回もどうぞご期待ください。お楽しみに。

 

 

皇紀2681年2月19日