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多数決と政治(6)多数決の正しい利用法

2021年2月26日

 

前回の「ロゴスの間」(多数決と政治⦅5⦆『国会議員の多数決』の意味)では、「国会議員の多数決」の意味を考えました。それは、

 

・国会議員は平等である

・国民全体では少数決である

 

でした。

 

さて、国会議員の多数決には正しい利用法と悪用・乱用があります。

今回は、国会議員の多数決の正しい利用法を考えます。

 

それは、ずばり、

 

「多数決の前に議論を尽くす」

 

という利用法です。

 

国会は、多数決をするための場ではありません。国民の代表者(国会議員)が議論をするための場です。

国会議員は多数決をするための人員ではありません。話し合うための人です。

 

国民の代表者(国会議員)が、より良い日本の政治のために提案(国会に法案を提出)する。

国民の代表者が、提案について吟味する、話し合う。

 

提案には賛成派と反対派がいる。

提案の良い点が挙げられる、問題点も指摘される。

専門家の意見を聞く。

問題点の解決策が考えられる。修正案が出る。対案が出る。

議論を通して国会議員は一層考える、考えが変わり得る、新たな気づきを得る。

 

これらを通して、または繰り返して、それでも国会議員の意見が一致しない、しかし最終的には法案の是非を国会が下さなければならない。

 

この時、議論を尽くしたこの時に、国会の意思を国会議員の多数決に委ねる。

これが、国会議員の多数決の正しい利用法です。

 

当たり前でしょうか?

はい、そうだと思います。

 

逆に、議論を尽くしていない段階で多数決を強行する。これが、国会議員の多数決の悪用・乱用です。

 

次回のロゴスの間では、国会議員の多数決の悪用・乱用について考えます。

つまり、なぜ多数決の前に議論を尽くさなければならないかを考えます。

 

次回が連載「多数決と政治」の最終回です。

政治にとって多数決とは何かを、もう一度みなさんと考えます。次回をお楽しみに。

 

 

皇紀2681年2月26日