「はじめに」

ゼロから経済を考える 経済学ではない新日本経済論考への招待


はじめに

 

 

これは、経済についての論考本です。

 

経済と聞いて、「難しそうだなぁ」と思われた方がいらっしゃるかもしれませんが、安心してください。これは決して難しい本ではありません。経済学は難しいのかもしれませんが、これは経済学を解説する本ではありません。そもそも私は、経済学を勉強したことはほとんどありません。経済学については全くの不知です。

 

「経済学に不知な人が経済を考えるだって?大丈夫なの?」

 

と思われた方がいらっしゃるかもしれません。信用できない、もうこれ以上読むことはやめようと思われた方がいらっしゃるかもしれません。

 

 

でも、ちょっと待ってください。

 

 

確かに、「経済学に不知な人の経済論考は信用できない」という主張に説得力はあるかと思います。しかし、「経済学に不知な人の経済論考は(絶対に)間違っている」という判断は、論理ではありません。したがって、小畑の考えは間違っている、と現時点では断定できません。

 

さて、「経済」の意味を確認します。経済は、「経世済民」もしくは「経国済民」の略語です。つまり、「世(または国)を経(おさ)め、民を済(すく)う」という政治的意味が、経済の正しい意味です。政治と経済は別の概念だと思われていた方もいらっしゃるかと思いますが本来は経済も政治的概念なのですね。

 

本書は、日本経済についての論考本です。日本経済を良好にするために、日本政府と日本銀行(日銀)はどのような政策をすればよいのか。つまり、日本国民の生活をより豊かにするために、日本政府と日銀は何をすべきかを主題として考えました。

 

本書は、六章構成です。

 

第一章では、「(一)日本貨幣も日銀が発行し、(二)日銀がいくつかの条件を満たすならば、日本政府は支出の予算を執行するための資金を実質的に生み出せる」ことを論理的に導きます。

 

第二章では、現在日本政府の負債(報道では『国の借金』、『日本の借金』とも呼ばれます)は巨額でも、誰にとっても何の問題もないことを示します。

 

第三章では、日本国民の手取り水準が上がり続けると日本経済の理想の状況が生じ得ることを示します。

 

国民の手取り水準が上がり続けると、商品の価格水準(物価)も上がり続けます。それによって生じる問題もありますが、日本政府と日銀の適切な政策によってこの問題は解決されます。その解決策を示します。

 

国民の手取り水準を上げ続ける方法も示します。それは、日本政府が国民にカネ(円)を配るという方法です。

 

第四章では、まず、日本政府の財政支出の例をいくつか挙げ、それらの金額はどうあるべきかを考えます。

 

次に、地方政府の財政はどうあるべきかを考えます。地方政府は「基準財政需要額」の財政資金を必要とする、という考え方を解説します。

 

続いて、税収を日本政府や地方政府の財政資金とするために定められている税目は、全て不要であることを説きます。議会が税法を定め、政府はそれに則り、個人や法人に税を課すことで財政資金を調達する、という現在の財政の仕組みは不当です。

 

第五章では、日本と外国の理想の貿易関係を考えます。

 

利益を増やすためならば、日本国内の企業が輸出をすることや、日本の企業が海外生産をすることは、日本一国にとっては無駄であることを示します。そして、日本と外国の貿易はどうあるべきか、及び輸出入と海外生産の意味を考えます。

 

第六章では、日本経済に関することで、第五章までに書ききれなかったことを書きました。

 

どうでしょうか。この本を読み進めてみようという気になっていただけたでしょうか?それとも、ますます信用できないと思われたでしょうか?

 

幸か不幸か、あなたはこの本をここまで読み進めてしまいました。せっかくですから、少々私にお付き合いしていただけないでしょうか。私の考えは正しいのか。また、私を信用できないのであれば、本当に私の考えは間違っているのか、確認していただけないでしょうか。

 

繰り返しになりますが、これは決して難しい本ではありません。経済についての論考本ですが、経済学を学ぶための本ではありません。私も経済学については全くの不知です。この本を読むために特別な知識が必要ということもありません。

 

私と一緒に経済を考えてみませんか。不知な人の経済論考とはどのような論考か、疑いながらでも読んでいただけないでしょうか。皆さんの貴重な時間を、少しだけ私に与えていただけないでしょうか。

 

本書をお読みいただける皆様に感謝申し上げます。

 

それでは皆様を、経済学ではない新しい経済論考の世界へご案内致します。

 

 

ようこそ、不知な人が考えた新しい経世済民の世界へ!